固定資産税3倍だと安すぎる
住宅地の地代・借地料が、固定資産税と都市計画税(以下「固都税」という)の合計額の3倍だとします。
しかし、実はこの金額だと安すぎます。なぜか?
ここで、地主さんにとって、なぜ地代・借地料が固都税の3倍の水準だと割りに合わないかについて説明します。
まず固都税は、土地の評価額に対して税率を乗じて算出されます。
式: 固都税 = 土地の評価額 × 税率
税率は、原則、固定資産税1.4%と都市計画税0.3%を合わせた1.7%です。
借地人が底地上の建物を住居として利用していれば、住宅用地の軽減措置が適用されるため、土地の固都税が安くなります。
その場合、固都税の金額は、軽減措置が適用されない場合と比べて30%程度の水準になります。
次に、上記を前提として計算例を示します。
ここでは地代・借地料の相場を固都税の3倍、土地評価を1,000万円とします。
この場合、住宅用地の軽減前の固都税の金額は、土地評価1,000万円に1.7%を乗じた17万円(年額)です。
よって、固都税の金額は、住宅用地の軽減後、17万円 × 30% ≒ 5万円(年額)になります。
地代・借地料の相場は、この5万円に3倍を乗じた15万円(年額)という計算になります。
さて、この地代・借地料(年額)15万円ですが、土地評価1,000万円に対して、わずか1.5%の割合です。
この割合は、収益率と同じですので、表面利回り1.5%(=15万円÷1,000万円)ということです。
さらにネット利回りを計算します。
地代・借地料15万円から固都税5万円を差し引いた純収益(ネット)は10万円です。
したがって、ネット利回りは、1.0%(=10万円÷1,000万円)となります。
いかがでしょうか? 他の不動産投資や金融商品と比べてみてください。不動産という元本から生み出す利率として低すぎると思いませんか?
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