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固定資産税の倍率と注意点

地代・借地料の計算方法のひとつに、固定資産税の倍率から求める手法があります。ちまたでは、地代・借地料の相場は、固定資産税の○倍といった話もよく耳にするもの。でも、ちょっと待ってください。固定資産税の〇倍といった話をもとに議論を進めてしまうと、適正な地代・借地料を見落とすことになるかもしれません。

ここでは、その手法を説明し、注意点を解説します。
 

1.固定資産税の倍率から求める方法
この手法は、地代・借地料と固定資産税には、一定の関係があることに着目して計算する方法です。
専門家のあいだでは、「公租公課倍率法(こうそこうかばいりつほう)」という名称を用いるのが一般的です。
公租公課の本来の意味は、税金その他の公的負担金のことをいうようですが、ここでは、固定資産税と都市計画税(以下、「固定資産税等」といいます。)を指します。
両者の頭文字をとり、「固都税(ことぜい)」ともいいます。
固定資産税等は、土地や建物などの不動産に対して課される税金です。
 

2.計算式
この手法の計算式は、次のとおりです。
  固定資産税等(年額) × 倍率 ÷ 12 ケ月 = 月額地代
[具体的な計算例]
例えば、年間の固定資産税等の金額(実際に納付する金額)を70,000 円、
地代・借地料の相場を示す倍率を2.5 倍とします。この場合、月額地代は、14,580 円となります。
(計算式) 70,000 円 × 2.5 倍 ÷ 12 ケ月 ≒ 14,580 円
 

3.不動産鑑定評価基準に記載のない手法
上記の計算式をご覧のとおり、公租公課倍率法は、地代・借地料に関して専門的なことを知らなくとも、一般の方にとっても、わかりやすく計算しやすい方法です。世間では、地代・借地料の相場を計算するオーソドックスな手法と思われている場合が少なくありません。
 

しかし、実はこの手法は、国が認める不動産評価の標準的な手法を定めた『不動産鑑定評価基準』において、賃料を求める手法として列挙されていません。
なぜなら、この手法は、その計算式がわかりやすい反面、単純な倍率判断によって、誤った計算結果が出てしまうことがあるためです。
例えば、以下の点において疑問があります。
 ・倍率の根拠が疑わしい
 ・契約当事者の事情を考慮していない
 ・税額軽減の有無によって変わってくる
 ・地代は税制度ではなく、本来土地の価値によって決まるべきもの
 

まとめ
固定資産税等の金額をもとに話をするのは、交渉相手にもわかりやすい手法であると思われますが、上記のように、問題点が多いのも事実です。
適正な地代・借地料の相場は、実際には個別の物件ごとに違ってくるものです。地代の交渉においては、固定資産税の金額の倍率に主眼をおくと、かえって適正な地代・借地料を見落とすことにもなりかねません。
しっかりと交渉をしていくためには、地代・借地料にくわしい不動産鑑定士にご相談することをお勧めします。

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