地主様向けお役立ち情報

借地の整理と土地の有効活用(前編)

相続した土地(借地権)の有効活用を描く物語を連載します。
不動産をめぐる相続のよくあるトラブルの一例として、参考になれば幸いです。

 

プロローグ

地主・一色英子

新宿から約10分の私鉄沿線の駅前から続く篠塚商店街。一色英子は、この篠塚商店街に、夫・一色吉男から相続した約700㎡の土地を所有していた(下図参照)。それらの土地は、100番の1から4までの4筆の土地で、250㎡の100番の1に3階建ての自宅ビルを持ち、1階と2階にはクリニックが入居、3階が自宅となっていた。そして、100番の2から4までの概ね150㎡前後の3筆の土地は賃貸していた。

英子は今年で76才になる。息子の秀一と2人暮らし。今年で40才になる息子の秀一は高校教師で、運動部の顧問も務めているせいかなかなか忙しく、不動産の管理は母親に任せきりであった。もっとも、貸しているのは土地であるから、管理といっても、英子がしていることといえば、毎月振り込まれる賃料の記帳と固定資産税の支払い程度であった。

借地権の買取り

100番の2の借地人である二階堂和夫が、借地権を売却できないかと地元の不動産業者である倉田忠に相談したことが始まりであった。

今年で71才になる二階堂は、100番の2で老舗洋菓子店のチェーン店を経営していた。しかし、昨年妻を亡くし、営業を続ける意欲を失い、閉店してしまった。二階堂は、妻との思い出が詰まるこの地に1人で留まることは辛いと転居を希望していた。二階堂の子供たちも、二階堂のあまりの落ち込みようを見て、それを薦めた。こうして二階堂は、借地権の売却を決心したのである。

倉田は、父の代からこの地で不動産業を営んでおり、地元の地主からも相応の信頼を得ていた。そのため、二階堂の借地の地主である一色英子とも知己であった。そうした関係から、二階堂は倉田に借地権の売却話を持ち込んだのである。

早速、倉田は、二階堂と共に一色家を訪れ、二階堂の希望を伝えた。倉田は、買い取った後、建物はそのままで新たなテナントを入れるのはどうかと提案した。無論、テナントについては、倉田が探すという。建物が英子のものとなって、建物を事業用として賃貸すれば、一定の期間経過後には必ず建物を返してもらえるので、今後のことを考えても良いのではないかと、倉田は言う。

英子は、奥さんが亡くなった後に店を閉めていた二階堂の話しを聞くと、夫に先立たれた身としては同情を禁じ得なかった。そのせいか、借地権の買取りを前向きな様子を見せた。倉田によれば、100番の2の借地権の買取り代金は、おそらく3000万円程度が妥当な線だろうとのことであった。亡夫が土地と共にそれなりの預金や株などの金融資産を残してくれていたため、十分に支払えるはずである。一色としては、借地権の買取りに気持ちが動く。息子の秀一に相談したところ、それは構わないのではないか、という意見だった。

 

底地の買取り

同じ頃、100番の3を賃借して歯科医院を営んでいた三浦靖は、老朽化した建物の建替を考えていた。三浦は近所でも腕がいいと評判で、毎日予約で一杯であった。そこで診療室を広くしたいと考えたのである。三浦としては、建替にあたり底地を地主の一色英子から買い取りたいと考え、彼もまた倉田に相談した。

100番の3の底地の買取価格は、2000万円程度ではないかと倉田は査定した。彼は、英子が隣の100番の2の借地権の買取りを検討していることを知っていたが、そのことは伏せつつ、一色英子は底地の買取りに応じるのではないかと伝えた。

そこで三浦は、100番の3が自己の所有地となった場合に、それを担保として建築資金の融資を受けようと、銀行へ相談に行くことにした。

 

三浦は、診療が休みの木曜日に、大手町銀行の篠塚支店を訪れた。

「ご融資のお申し込みですか」対応に出たのは、営業担当の浅井雅史であった。三浦から一通りの説明を訊くと「わかりました。ご検討させていただきます」と浅井は笑みを浮かべながら応えた。

融資を受けられそうだと感じた三浦は、持参した地図を広げて説明を続けた。すると、浅井の表情が少し変わった。

「建替をするには少々地形が悪いですねぇ」

「そうですか」

「でも、先ほどのご説明によると、両隣の店舗は既に営業していないのですよね?」と浅井が尋ねた。

「そうです。東隣の洋菓子店も、西隣の食堂も閉店しています」

「土地の所有者は、それぞれの店主の方ですか」

「いえ、私と同じ2軒先の一色さんです」

「なるほど」と、浅井は少し考え込んでから続けた。

「どうでしょう。両隣の方の事情を訊いてみなければなりせんが、いずれか一方の土地を購入するということはできませんか?そうすると、地形も良くなり、建物も建てやすく、融資もよりスムーズに進みます」と提案した。

「う~ん」今度は三浦がしばし考え込んだ。地図上の自分の診療所を指しながら、
「しかし、この土地の底地だけならともかく、もう1筆買うというのは難しいですね」と、三浦は難色を示した。

繁盛している歯科医である。ここ数年の年収は1000万円を超えていた。だからこそ、建替により診療室を広くしたいと考えたのである。とはいえ、今使っている借地の底地を購入し、さらに、商店街沿いの100㎡を超える土地を購入するということに難色を示すのも無理はない。

でも「この地形ですとねえ。ご希望に添えるような額を融資できるかどうかはちょっと」と、今度は融資を渋るような口ぶりになった。

「そうですか」と三浦は、広げた地図をたたみ始めた。

浅井は焦りを感じた。浅井としては、歯科医として収入が安定している三浦は融資先としては有望だと感じていた。そこで、地形が余り良くないのを確認したので、隣接地の購入も薦めてみたのだ。営業マンとして、できるだけ多くの貸付をしたいと考えるのは自然なことだ。とはいえ、ここで他の金融機関に話しを持って行かれるようでは元も子もない。

「たしか地主さんは、2軒先の一色さんでしたよね」浅井は残念そうな顔をしつつ尋ねた。

「はい」

「では、一色さんのところへ行って底地を売ってくれる意思があるかどうか、まずは聴いてみましょう」浅井としては、とにかく底地の購入をさせ、建替をする方向に持っていった方が得策だと考えたのだ。

三浦も、融資を断るつもりでもなさそうだと判断し、浅井と一緒に一色宅へと向かった。

 

三浦と一色

「ええと、私が底地を売るというのは、要するにあの土地を三浦さんに売るということですよね」一色英子は、相次ぐ不動産取引の申し出に少々戸惑いつつも、話しの内容を理解しようと努力していた。

「そうです」浅井が答えた。

「ということは、その後は賃料を頂けなくなるものの、まとまったお金をいただけるということですよね」

「そういうことになります」

「実はですね、お隣の二階堂さんが借地権を買い取って欲しいと言ってきてるんです」

浅井と三浦は、ちょっと驚いたような顔をした。

英子は、二階堂の事情をかいつまんで説明した。

「そうですか。たしかに奥様を亡くされた後の二階堂さんは元気がありませんでしたからね」と三浦は同情を示した。

「ですから、ハッキリとしたことは息子と相談する必要もありますし、ここでお返事はできませんが、お話しそのものは一応検討させていただきたいと思います」

三浦と浅井は、一色が底地を売却することに乗り気な様子に、ほっとした。

 

四谷食堂

一色宅を辞去し、三浦と別れた後、浅井は考えていた。

英子の話しでは、三浦の借地の西隣の100番の4も一色の所有だという。もし、三浦が100番の4も買い取って、より大きな建物を建てることになれば融資額も増える、当然、自分の成績も上がる。浅井は、篠塚支店に赴任したばかりの頃、100番地の4にあった食堂で昼食をとったことを思い出した。

(たしか、「四谷食堂」といったな。でも、三浦さんの話では既に閉店したらしい。たしか、あそこの主人は、それなりに高齢だったような。健康を害したのだろうか。だとしたら、商店街のあの地にこだわる必要はないはず。もしかしたら、借地権の売却を考えている可能性も。よし、当たってみようか。)浅井はきびすを返した。

閉店した食堂のショーケースには、ハンバーグやスパゲティ等々、リアルなサンプルが残っていた。食堂をやっていた頃の名残りが何やら寂しさを誘う。かつては勝手口であったドアの横には「四谷」と表札が掛かっていた。浅井は、そのすぐ下にある呼び鈴を押した。

出てきたのは、20歳代と思しき若者であった。

「あの、ご主人はいらっしゃいますか?」

「ああ、父ですか。父なら居ますよ」そう言うと、息子と思しきその男は、懐からスマホを出し、ちらと見て

「もう相場も終わった頃だから、呼びましょうか」

「お願いします」

浅井が答えると、若者は、「父さん、お客さんだよ」と言いながら、2階に上がっていった。

(相場?)吉田が腕時計をみると、既に15時を少し回っていた。(ああ、株をやってるのか)

株の取引は、11時30分から1時間の昼休みを挟んで、朝の9時から午後3時まで行われる。ネットで株の取引をやっている、いわゆる専業トレーダーならば、その間PCに張り付いている人も少なくない。

 

第2部 相談

尾田税理士事務所

尾田税理士事務所は本来、土曜日は休みである。しかし、事務所の中では事務員の尾田好美が自分の席で新聞を読んでいた。事務員といっても、この事務所の主、税理士・尾田信治の娘である。33才。大学を卒業し銀行に就職したが、数年で結婚して退職。しかし、結婚生活は長く続かず、4年で離婚。実家に戻り、税理士をしている父親の仕事を手伝っていた。

昨夜、顧問先である一色英子から電話が入り、土曜日の今日、息子の秀一と一緒に来るという。何か相談があるようなのだが、父は何やら先約があったようで外出しており、話しを聞いておけと言いつけられたのだ。

ちらっと時計を見ると、既に13時を少し回っていた。「こんにちは」、一色秀一の声がした。秀一は好美の姿を見ると、母親の一色英子と一緒に、事務所の中に入ってきた。

秀一は、今年で40才だが未婚。親孝行な息子だと近所では評判であった。しかし、40才を過ぎても結婚しない姿は、好美あたりから「マザコンじゃないの?」と陰口を叩かれても仕方ないかもしれない。

好美からすれば、秀一が一緒なのは珍しいことのように思えた。この商店街で複数の土地を持つなかなかの資産家である一色英子は、毎年、税務申告について自分で資料をもって事務所にやって来ていた。40近い息子が何故やらないのかと思ったものだ。

「聴いて下さいよ、好美さん。何か訳が分からなくなっちゃってねぇ」

「どうしたんです?」

尾田税理士事務所は以前から一色家の顧問税理士であったため、英子は、好美のことを昔から良く知っていた。そのせいか、好美が離婚してこの商店街に戻ってきたときには、何かと好美に気を使ってくれた。英子とは、親子ほどに年が離れていたが、茶飲み友達のような関係にあり、ときどき英子は尾田事務所を訪れては、好美と世間話にうち興じた。あまり忙しいわけではないので、そんな英子の話しを聴くのも、好美にはちょうど良い息抜きにもなっていた。

「銀行員がねぇ、余計なことを言いふらしたお陰で、話しがややこしくなっちゃったのよ」

「母さん、ちゃんと話さないと」

「でも、どこから話したらいいやら」

(息子の秀一さんも一緒だし、今日はかなり真剣な話しのようね)と、好美も、少々身構えた。

「じゃあ、僕が説明するよ。」というと、秀一は好美の方を向いて、「ちょっと紙とペンを貸してくれません?」と言ってきた。

好美が、A4のコピー用紙と手元のペンを渡すと、秀一は、紙に何やら簡単な地図のようなものを描き始めた。

ここが篠塚商店街の通りで、ここがうち。その隣が二階堂さんの洋菓子店があったところ。ここが三浦歯科医。で、その先が四谷さんとこの食堂ね。もう閉まってるけど。この土地が全部、うちの、というか母さんの所有で、二階堂さん、三浦さん、四谷さんに土地を貸しています」

「ええ、その辺は知ってますよ」好美は、先を急がせるように言った。「さすが好美さんね。頭が良いわ。でね、二階堂さんがね…」英子が説明を続けた。

 

事案の説明

「こういうことですね…」好美は、秀一の書いた地図を指さしながら、自分の理解した話しの確認を始めた。

「要は、奥様を亡くされて落胆した二階堂さんが、一色さんから借りている土地を返す、つまりは、借地権を一色さんに買い取ってくれないかともちかけてきた。そのお話しを持って来たのは、不動産屋の倉田さん。倉田さんは、二階堂さんのお店をテナントに貸したらどうかと言ってきた」

好美がちらりと見ると、一色親子は頷いた。

「そしたら、今度は、銀行員の方と一緒に来た歯医者の三浦さんが、底地を買いたいと言ってきた。一色さんとしては、二階堂さんの借地権を買うのでお金が出る。一方で、三浦さんに底地を売ればお金が入るので都合がいい。で、どちらの話しも応じようかと思っていた」

「そうなのよ。ところがね…」

「今度は、食堂をやっていた四谷さんも、一色さんに借地権を買ってくれないかと言ってきたと」

「そうなの。どうも、三浦さんと来た銀行員が、私が二階堂さんの借地権を買い取ろうとしていることを話したみたいなのよ。おしゃべりねえ」

「口の軽い男はダメですね」

「そうなのよ。それでね。四谷さんは、腰を痛めたようで立ち仕事が辛くなって食堂を閉めたの。でも、四谷さん、案外抜け目がなくて、少しずつ株を買い貯めてたらしいの。で、割と上手だったようで、それがけっこうな資産になってるみたい。だから、もう商店街沿いに居る必要もなくなったから引っ越したいというのよ。四谷さんの事情は分かるけど、私もあっちもこっちも、というわけにはいかないわよ」

「そうですよね。それに、100番の1と100番の2が一色さん、その隣の100番の3が三浦さん、そしてさらにその隣が100番の4がまた一色さんとなると、飛び地みたいになってしまうし」

 

「だから、銀行員は、三浦さんに100番の4を買ったらどうかと薦めているようだけど、三浦さんとしても、そこまでのお金は出せないというのよね。三浦さんは、医院を建て替えたいらしいのだけど、銀行は三浦さんのとこは地形が良くないなんて言ってるのよ」

「あら、銀行員の方にもお会いしたんですか」

「ええ、昨日ね。文句を言いに行ったの。そしたらね、私には、お金を貸すから、二階堂さんのお店が入ってた建物を壊して、家を建て替えたらどうかって言うのよ。その方が、相続の時に得だというのよ。相続なんて、私が死んだ後のことでしょう。失礼だと思わない?」

 

相続税

「あのお、実をいうと、相続税というのはバカにならないんですよ。特に一色さんはかなりの土地をお持ちですから、えーっとですね」

好美は立ち上がり、書棚からファイルを出して、ページをめくりながら、電卓を叩いた。そして、電卓を持って、一色親子のところへ戻って来た。

「一色さんの納税申告はうちでやらせてもらっているので、土地の評価額が分かります。それで、ざっと相続税を計算してみました。詳しくは父に計算してもらった方がいいのですが、概ね1億4千万円くらいでしょうか」

「ええっ!」一色親子が顔を見合わせた。

「下手をすると、土地の半分を取られちゃうかもしれませんよ、税務署に」

「そうね。たしかにそうかも。主人が亡くなった時はかなり落ち込んじゃってて、貴方のお父様に任せきりだったけど、あの時も、かなりの相続税を支払って、主人が持っていた他の不動産を処分しなければならなくなったんだった。そうよ。土地を取られちゃったのよ、税務署に。思い出すと腹が立つわ」

「まあまあ」秀一は母をたしなめるように言った。

「その時、私はここに居ませんでしたし、さすがにその当時の資料はしまい込んであるので、細かいことは父に訊いてみないとすぐには分からないですけど」

「やっぱり、貴方に相談してよかった。秀一が言うにはね、銀行員は自分の営業成績を上げたいから貸し出しをしようと色々なことを薦めてくるし、不動産屋さんは売ったり買ったりするのを仲介して仲介料をとるから、どうしても自分の仕事というか立場でお客には取引を薦める方向で接するというのよ」

「それはありえることですよね。お仕事ですから…」

「でも、結局、最終的にお金を負担するのはこちらでしょう。だから、秀一は、あなた達のようなコンサルっていうの、資格を持っていて、中立的な立場で相談に乗ってくれる人に相談した方がいいと、言うのよ」

「税理士も人それぞれですけど、言われてみれば、銀行員や不動産屋さんと比べると中立的ですね。でも、税理士なんて税務署の手先だよ、なんて言う人もいますから。手先も何も、法律に則って納税しないと追徴課税とかになって、最終的にはお客様が困ることになってしまうんですけど」

「そんなこと言う人がいるの?大丈夫、私たちは貴方のお父様を信頼してるわ。長い付き合いですし。ねぇ」英子は、秀一に同意を求めた。

「もちろん」秀一は頷いた。

「好美さん、こういうこと、土地や借地権とかについて、不動産屋さんじゃなくて、税理士さんみたいな、資格を持ってって、中立的な立場で相談に乗ってくれる人がっているのかしら?」

「そうですねぇ、国家資格を持っていて、中立的な不動産の専門家というと、やっぱり不動産鑑定士かしら?」

「不動産鑑定士か。土地の値段とかを鑑定してくれる人ですね」と秀一。

「ええ、不動産の相続とかについても相談に乗ってくれる、コンサルティングをやってる方もいるそうですよ。銀行に勤めていたときに、何度か不動産鑑定士さんに会ったことがあります。不動産関係のお仕事をしているのに、不動産屋さんとはだいぶ違った雰囲気だなぁ、と思ったものです」

「好美さん、良い不動産鑑定士さんを紹介してくれないかしら」

「うーん、父の知り合いにも不動産鑑定士さんはいるようですけど、こうした込み入った事案についても相談に乗ってくれる人はいるかなぁ。とにかく、探してみます」

「ありがとう、好美さん、助かるわ」

 

不動産鑑定士事務所へ

結局、好美の父が知っている鑑定士は、主に公示地価や固定資産評価額の鑑定など公的な仕事をやっているため、コンサル業務はやっていないという。好美は、仕方なくコンサル業務をやっている不動産鑑定士をネットで検索して探してみた。

目星をつけた鑑定士に電話をしてみると、「複雑そうな案件ですので、一度、ご来所いただけませんか」と言われ、数日後、好美は、一色親子と、都心にあるその不動産鑑定士の事務所へ赴くこととなった。

途次、三越日本橋店の前に差し掛かったとき、「知ってる?三越って、三井財閥の三井家の越後屋という呉服屋が始まりなんだよ。三井の越後屋で三越というわけさ」と秀一が嬉しそうに話した。

「へえ、そうなの?さすが学校の先生。物知りですね」好美が感心したように応えた。

「それ、前に聴いたような気がするわ」英子が言うと、「え、そうだっけ?」秀一は、ばつが悪そうに頭を掻いた。

 

ビルの3階にその不動産鑑定士事務所はあった。3人が応接室に通されると、すぐに2人の男性が入ってきた。

「はじめまして、不動産鑑定士の黒田と申します。そして、こちらが助手の栗山です」2人は名刺を差し出し、一色親子と好美もそれを受取ながら自己紹介を済ませた。

不動産鑑定士の黒田貴史は40代始めころか、細身で濃紺のスーツが似合っていた。栗山は20代後半だろうか。3人は、その人物を見極めようと彼らを見つめた。「概要はお電話で尾田様からお聴きしました。かいつまんで言うと、一色様は商店街で3筆の土地を賃貸しておられて、借地権の買取りや底地の売却を求められているということですね」と黒田が切り出した。

英子が話し出そうとすると、それを抑えるにように秀一が、地図や資料を広げ始めた。「これがそうです」

「ふーむ」黒田と栗山が地図を興味深そうにのぞき込んだ。

秀一は、地図を指さしながら、これまでの経緯を黒田と栗山に説明をした。

 

本当の思い

「状況はわかりました。ところで、尾田様のお電話では、相続税をにらんだ上での処理をお考えだと?」

「ええ」英子が応じた。

「実は、好美さんに相談した後、相続なんて…と思ってたのだけど、正直なところ、ここのところ身体の衰えも感じていまして、そういうこともしっかりと考えないといけないかな、とも思っています。」

秀一が、ちょっと驚いたように母親の顔をみた。母親は健康なものだとばかり思っていた。母親が自ら体調云々を口にするのを聴くは初めてのような気すらした。

「正直申し上げて、一色様のような地主の方の場合、やはり生前から相続のことを考えた資産運用をなさるのが賢明だと思います。尾田様からお伺いした想定される相続税額ですと、一色様がどの程度の現金や金融資産をお持ちかにもよりますが、1筆、場合によっては2筆の土地が物納ということになる可能性も考えられます」

黒田は、秀一が複雑そうな顔をしていたのに気が付くと、秀一の方を向いて続けた。

「相続税対策の利益を受けるのは、相続人となる秀一様ですが、もしかして、何か小狡いことをして自分の取り分を増やそうとしているようにお考えじゃありませんか?でなければ、相続で半分もの土地を国に取られるなんて酷い話しだとか?」

「え、まあ、その両方です」呟くように秀一は応えた。

「そういった印象を持たれるのは無理もないと思います。ここで国の税制をどうこう言ってみても始まりません。やはり、ここはいたずらに相続税が増えないような努力をすることは、狡くも何でもないことだと思います。当たり前の自助努力です」

「私も、そう思います」英子が応えた。そして、どこか意を決したように言葉を続けた。

「亡くなった夫は永年、商店街振興組合の理事長をやってましたこともあって、土地はできるだけ商店をやっている方に貸していたんです。あまり人前で言ったことはないようですが、夫は、賑やかな商店街になって欲しいって、街のことを本当に気にかけていました。そういうことを私は聴いてましたし、そういうことを分かっていたので、だからこそ夫は、全部の土地を私に相続させる遺言を残したのだと思います。あとは頼むよ、という気持ちからじゃないかと」

秀一は、少し驚いたような顔で母親を見つめた。

「だから、正直なところを申し上げると、四谷さんが食堂を閉めたときも、お隣の二階堂さんがお菓子屋さんを辞めたときも、どうしようかと思いました。でも、お店を閉めるのはそれぞれの事情があるわけですし、私からどうこう言える訳でもありません。お店をやらないのだったら商店街から引っ越すかもしれないし、二階堂さんたちが引っ越したら、また、新しい人に貸せば良いと思っていました。だから、はじめに二階堂さんが借地権を買って欲しいと言ってきたときは、内心ほっとしました。でも、一度に三浦さんや四谷さんまでと一緒となると、どうしていいやら。それに、このままだと相続税の問題もありますし、息子の秀一は教師をやっていますが、それでも、やっぱり夫が残してくれた財産はできる限り息子に受け継いでもらいたいし、できるならば夫の気持ち、つまり土地は商店街が賑やかになるようなかたちで利用して欲しいと思っています」

「わかりました」黒田は力強く頷いた。

「私どもとしては、相続税のことを念頭に置いた上で、商店街の活性化に繋がるような土地の有効活用を考えさせていただくということでよろしいでしょうか」

「はい。お願いします」英子は笑みを浮かべて応えた。

「お気持ち、ご依頼人の思いが分かると、より一層やる気になるものですよ」黒田は、栗山の方を見て笑いかけた。

「ええ、そうですよ」栗山も頷いた。

「ありがとうございます。お願いします」一色親子と好美が深々と頭を下げた。

「それでは、この件は当社で解決策を検討させていただきます。こちらこそ、よろしくお願いいたします」

そして、より詳細な情報を交換し、次の打合せの日取りを決めた後、持ってきた資料を置いて、3人は黒田の事務所を辞去した。

 

黒田の事務所を出てまもなく、秀一が言った。

「母さん、どうして今まで話しくれなかったの?相続した時の話しとか」「あなたが小さい頃、父さんが金物屋をやっていたのを覚えてる?」

「覚えてるよ。古い家の頃だね」

「金物屋では赤字が続くばかりで、店を閉めることなって、どうしようか?という話しになったとき、お父さんは、自分の店を閉めるということは、それだけ商店街が寂しくなってしまうということを心配したの。結局、お店ではないけれど、お医者さんが近くにいることは良いことだというので、ビルを建てて1階と2階をクリニックに貸したのよ。その後、お父さんは、商店街振興組合の理事になって、街のために色々と尽くしたの」

「うん」

「でも、貴方は大学に行って、高校の教師になった。それを見て、父さんは、俺とは別の道を歩み出したなって、頼もしそうに言ってた。父さんは、土地とかそういうものを貴方の背中に背負わせたくなったみたいね。私には何となく分かったの。だから、遺言で自分の財産は全部私に相続させたのだと思う。今にして思えば、相続税とかのことを考えたら、それが本当に良かったのかどうかは別だけど」

英子は、若干後ろを歩いている好美に言った。

「あの時は、貴方のお父様にはお世話になったわ」

「いえ」好美は小さな声で応えた。

「だからね、秀一、わざわざ私から貴方に言う必要はないかなと思って」

「そっか」

「でも、私に言わせると、貴方に言わなかった理由はもう1つあるの。実は、貴方が結婚するときがきたら、お父さんの代わりに一家を構える者としての心得でも話して聞かせようか思って、お父さんの考えてたことや、貴方はいずれこういうものを受け継ぎますよ、ちゃんとしなさい、くらいのことは言おうかと思ってたのだけど、いつまで経っても結婚しないんだもの。ねえ、好美さん」

「は?」いきなり話しを振られた好美は、きょとんとした顔をした。

「ちょっと、母さん。そこで、好美さんにいきなり妙な話を振っても…ねえ」秀一が、耳たぶを真っ赤にして言った。

「え、いえ、そんな…」好美は妙な話の流れに惑うばかりだった。

 

第3部解決策

借地権と底地の等価交換

「なるほど」一色親子と好美が揃って声を上げた。

初めて黒田の不動産鑑定事務所を訪れてから2週間後、プランが出来たというので、3人は再び、黒田の事務所を訪れていた。

黒田の提案は、こういったものだった。

現在、二階堂の借地権がある100番の2、三浦の借地権が100番の3、そして四谷の借地権が100番の4、この3筆の土地の賃貸人である所有者は一色英子。つまり、それぞれの3筆の土地の底地を英子が持っているということである。

まず、二階堂の借地権を英子が買い取る。そうすると、100番の2は英子の完全所有地となる。現在、一色家の建つ100番の1と地続きであるから、2筆の土地を合わせれば、より有効活用しやすくなる。

次に、真ん中にある100番の3を賃借している三浦が、その西側にある四谷の借地権を買い取る。その際、土地の所有者であり賃貸人の英子は、借地権を譲渡する四谷から承諾料を得ることができる。

そして、次がポイントである。三浦が100番の4の借地権を買い取ったことによって、100番の3と100番の4の借地権者は三浦で、底地所有者(賃貸人)は英子という形になる。そして、100番の3と100番の4を1つの土地とみて、借地権と底地の割合に応じて、例えば西6、東4の割合で分けて、西側の土地の英子の底地と、東側の土地の三浦の借地権を等価交換するのである。こうすると、前記の西側の土地を仮に新100番の4、同じく東側の土地を仮に新100番の3とすると、新100番の4は三浦の完全所有地、新100番の3は英子の完全所有地となる。

 

「こういう方法があるのか」秀一が感心したように呟いた。

「つまり、母も三浦さんも底地と借地権を等価で交換しているだけなので、互いにお金を支払う必要はないわけですね」

「そうです」黒田の助手、栗山が応えた。

「そして、ここからここまで、今うちが建っている土地から三浦さんの歯科医院がある土地あたりまでが、母の完全所有地となると」

「そうです。借地権というのは、借地借家法で保護されていますので、一旦貸してしまうとなかなか返して貰えなくなってしまうんです。地主さんにとっては不利な状況なのです。ですから、この機会に、こうやってひとまとまりの借地権のない完全所有地になれば、より大きな建物を建てることができるので、土地の有効活用が可能になるのです」

栗山の説明を引き継ぐように、秀一が続けた。

「同じように、三浦さんも、もともと四谷さんが食堂をやっていた土地プラスアルファの土地の完全な所有者になれると。そのうえ、地形が悪いので融資を受けにくいようなことを言っていたけど、土地を分けるときに境界を変更することになるので、それも解決できると」

「そういうことです」

「結局、私は、二階堂さんの借地権を買い取る際の代金を支払って、三浦さんは、四谷さんの借地権を買い取る際の代金を支払うだけでいいから。お互い得になるわね」まるで息子に負けまいとするように、英子も話しを継いだ。

一色親子と、好美は互いに顔を見合わせてにこやかに頷きあった。

 

相続税対策

「こうなると、相続税対策もやりやすくなりますね」好美が口を開いた。

「そうなんですよ。さすが、税理士事務所の方ですね」黒田が、好美に話しを促すように言った。

英子と秀一の視線が、好美に向けられたのを受けて、好美は説明を始めた。

「相続税って、相続財産の額に応じて決まりますから、相続財産が少ないほど相続税額も少なくなるんです」

ふんふん、というように一色親子が相づちを打つ。

「相続財産は、現金や金融資産、例えば株などですね、それに不動産価値の合計になりますけど、借金があれば、そこから差し引くことになります。ということは、返済可能な範囲の借金をするということは、相続税の節約になるんです」

「借金することと、どういう関係があるの?」英子が質問した。

「つまり、これだけ広い土地が借地権のない単独所有となれば、それ相応の建物を建てることができます。建物を建てるときには、かなりのお金が必要になりますから、この土地を担保にして銀行からお金を借りて、そのお金で建物を建てるんです。そうすると、銀行に借金があることになるので、相続財産の総額が減って、相続税が少なくなるんです」

一色親子は、なるほどというように頷いた。

「今までお聴きした範囲では、一色様にはこれといった借金はないと伺っていますから、今のままで将来相続が生じた場合に比べて、相当程度の相続税の節約になるかと思われます。おそらく50%以上少なくなる可能性もあるのではないかと」

黒田の説明を受けて、英子が尋ねた。

「でも、今のうちより大きな建物を建てても、どうしたらいいの。どんな建物を建てたらいいのかしら」

「そこですね。前回、一色様から、亡くなったご主人が商店街の賑わいを大切にしていたというお話しを伺いましたが、やはり、1階に商店を誘致するのが良いかと。この広さなら2軒は入りますね。そして、今、ご自宅の1階に入っている医院は2階に入ってもらう。建物自体が広くなりますので、医院は2階だけでも、今まで以上の広さになるかと思います。そうすれば、貸地がなくなったことで地代収入が無くなりますが、新しいビルのテナントから賃料収入が入ります。そして、その賃料から、借入金の元本と利息を支払っていくわけです。返済期間はある程度長くしてもらうことによって、毎月の収入からその他諸々の費用や収入が残るようにします。この辺りは、収益性の検討など、まだまだいろいろと考えなければならないこともあります」

黒田の回答に、英子は何度も頷いていた。

 

その後、黒田は、借地権の買取交渉、等価交換時の交換比率の交渉、さらに、建築プランの策定などを含めたコンサル料金について一色親子に呈示し、その他、測量費などの必要経費について概算額を示した。一色親子らは、これらのプランを一旦持ち帰って、後日、改めて返答することにして打合せを終えた。

 

尾田税理士事務所2

その日の晩、一色親子同席のもと、好美が黒田事務所からの提案を税理士である父の信治に説明していた。

「…という話しだったの」

「うん、等価交換はいいんじゃないかな。一色さんの話しだと、銀行は融資に乗り気のようだし、借地人のみんなも基本的な要望は通るわけだから、条件面でのすりあわせは必要だろうけど、大丈夫じゃないかな。その案でいいと思うな」少し薄くなった自分の頭を撫でながら、信治は応えた。

「じゃあ、尾田先生、この黒田さんに正式にお願いして、いいかしら」

「いいと思いますよ。この段階で、報酬額や他の諸費用についてもちゃんと説明しているのは良心的じゃないでしょうかね」

「ああ、よかった。先生からそう言っていただくと、安心する」英子はホッとしたようだった。

「ところで、黒田さんは、税務については、お父さんにご相談したいって。等価交換の特例とかの問題もあると言ってたし」

「ああ、それはそうだろうな。うちが一色さんの顧問税理士だし」「お願いします」一色親子が頭を下げると

「いやいや、私は大したことするわけじゃありませんから」信治は恐縮したように応えた。

一色親子が辞去した後、信治が好美に向かって言った。

「秀一君、こういうことはお母さんに任せきりで、全くといっていいくらいやらなかったのに、今回は半休を2回もとって一緒に鑑定士のところまで行ってたそうだな」

「ええ」

「久しぶりに会ったけど、ちょっと頼もしくなったような印象だったな。お前、再婚するなら、秀一君はどうだ?どうせなら近所だとありがたいと思ってるんだけど」

「そうね。優しい人だしね。でも私バツイチだし、あちらがどう思ってるかにもよるでしょ。というかお父さん、再婚しても、私にここで働いて欲しいの?」

「いやあ、なかなか筋がいいなと思って。どうだ?税理士の資格を取るつもりはないか?」

「そうねぇ。お父さんが税理士試験受かったわけだから、私が受からないわけないしね」と言って笑った。

「それは、試験に合格して資格を取った後に言う台詞だぞ」と信治は、自分の娘の意外なふてぶてしい言葉に苦笑いした。

 

第4部 作業開始

交渉

英子から正式に仕事の依頼を受けた黒田は、すぐさま、周辺の売買事例や交換事例等を検証し、借地権の買取り金額や等価交換比率の検討を始めた。さらに、一色の土地に建てる建築プランを入れた上での収益性の検討などもはじめた。

1週間ほどたったのち、黒田は栗山と共に、篠塚商店街を訪れ、まずは二階堂の借地権買取りの交渉のために、英子と共に倉田不動産へと向かった。倉田の事務所では、事前に連絡を受けて、二階堂と倉田が待っていた。

二階堂に売却の意思がある以上、価格の交渉となる。二階堂側の提示額は3500万円と想定より15パーセント近くの高価格であった。交渉の過程で譲歩することを想定して高めの価格の提示することは珍しくないが、少し強気が過ぎるという印象は否めない。黒田は、倉田が買主と売主の両方から仲介手数料を受けとる腹づもりであったところに黒田が割り込んだことをこころよく思っていないのだろうと推測した。

もっとも、借地権の買主である一色は地主である。他に借地権を売却しようとしても、地主の承諾が必要となる以上、立場としては地主である一色の方が強い。それに適正な価格を示すのは不動産鑑定士の役割である以上、できるだけ穏便に想定の範囲内に収めることに注力する他はない。

黒田は、あらかじめ用意した資料を示しつつ、路線価、周辺地域の取引事例、これまでの賃料、借地権と底地の価格割合等を根拠に、3100万円の価格を提示した。あらかじめ説明を受けていた英子がうなずきながら黒田の説明を聞くのは当然だとしても、売り手である二階堂も興味深そうに話しを聴いていた。むろん、黒田としても、売主自身を説得することに主眼を置き、できるだけ分かりやすい説明を心がけていた。業者側の目論見はどうあれ、売主が納得させれば価格交渉はやりやすくなる。

倉田は、「二階堂さんの老後資金となるものですので、もう少し歩み寄っていただけないものでしょうか」と応えた。

今度は英子が言った。「それは重々承知しております。奥様を亡くされた二階堂さんのお気持ちを汲んでの買取りですので、そこはご理解いただきたいと思います」

「ありがとうございます」二階堂は頭を下げた。

倉田は2人のやり取りを見て、内心少々焦りを感じたが、それを表に出さず落ち着いて付け加えた。

「とにかく、二階堂さんのご事情も汲み取っていただきたいと思います」

「わかりました。では、一度持ち帰って、検討させていただきます」と黒田は答えた。

 

打合せ

その日、秀一が帰宅した後、一色の自宅で、黒田は一色親子に、借地権の買取金額や等価交換比率、そして、建築プランなどについて説明した。

二階堂の借地権の買取額については、こちらの額に若干の上乗せをして再度提示することとした。二階堂の態度からして、これで飲むであろうというのが黒田の見立てであり、一色親子も納得した。

「結局、借地権を買うとしたら地主であるうちしかないわけですからね。二階堂さんもそう強気にならないでしょう」と秀一が言うと

「ええ。倉田さんも地元の業者さんですから、今後も一色さんとは上手くやっていきたいでしょうから、ほどほどで折れますよ。彼にしてみれば、私が出てきたことがちょっとショックだったのでしょう」黒田が答えた。

「うちも倉田さんにお任せします、というのを期待してたんでしょうね」

「そうだと思います。ところで、次は三浦さんと四谷さんの方ですね。こちらは、私と栗山が行きます。四谷さんとしては、借地権を買ってくれるのが一色さんであれ三浦さんであれ、どちらでもよいでしょうから。問題は、借地権の譲渡ということになれば、地主の承諾がなければ借地権は譲渡できないのが原則ですので、四谷さんは一色さんに譲渡承諾料を支払うということになります。こちらの目論見があっての四谷さんと三浦さんの取引ですので、交渉を円滑にするという意味で、承諾料を取らないという選択肢もありますが」

「それは、構いません。それで四谷さん達の話し合いが円滑になるのなら」英子は即座に答え、秀一も同意した。

そして、英子がお茶を煎れ代えるために席を外したとき、秀一が黒田に小声で話しかけた。

「お願いがあるんですが…」

借地の整理と土地の有効活用(後編へ)

 

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