共有不動産のリスク
相続では不動産を共有にしてはいけない、と言われます。
でも、実際にどんなリスクがあるか、その実態を語られる機会は少ないのではないでしょうか。
そこで、今回は、不動産業者が共有持分を買い取る事例を紹介しながら、そのリスクを説明します。
ちなみに、共有不動産とは、土地や建物の不動産を複数の所有者で持ち合っている不動産のことです。
ここでは、1億円の土地を兄弟二人で2分の1ずつ共有しているとします。
この場合、兄弟二人で一緒に売れば1億円になりますが、仮に片方だけの持分、つまり全体の2分の1だけ売却しようとすると、5,000万円では売れません。使い勝手がわるいからです。
上記を前提に、具体例は、次の通りです。
①まず、不動産業者が共有持分を、例えば1,000万円で買い取ります。
②その後、業者は、他の共有者に5,000万円で請求します。
③応じなければ、逆に自分の持分2分の1を業者に売る事になるかもしれません。
④業者と一緒に売却して換価を求められる場合もあります。
お互いに話がまとまらなければ、訴訟になるのが通常です。
問題は、共有物の解消については法的に強い権利が与えられていることです。
裁判所の判決では、共有者全員で売却して換価せよという結論も多くあるようでした。
もちろん、都合によって同時売却できない場合もあります。
例えば、兄弟で2分の1ずつで共有している実家に兄が住んでいて、弟が業者に持分を売却した場合です。
判決では、兄が、業者の持分に対して賃料を支払いなさいというケースがありました。
このように共有不動産は、さまざまなトラブルを抱える可能性があるのです。
相続で揉めたまま、今も共有状態にある方はご用心してください。
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共有持分買取りビジネスの典型例は、持分を1,000万円で買い取り、他の共有者に3,000万円で請求、応じなければ、裁判所に共有解消を求めて換価又は賃料を設定してもらって運用する手法である。相続で揉めて共有状態にある方はご用心。
— 日本橋鑑定総合事務所 (@officenihonbas1) July 13, 2022