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老後2000万赤字と投資詐欺

金融庁報告書「老後資金2000万円赤字」が大きな話題となっています。

私自身、実際の報告書を読んでみました。

今回は、その読後の個人的な感想です。

報告書の内容は、ひと言でいえば、「株式投資のススメ」でした。

「昔に比べて寿命が伸びたので退職後の老後資金はたいへんですよ」「公的年金だけでは不足しますよ」と、まるで証券会社の営業トークのオンパレードのようでした。

今回ここまで話題となったのは、公的年金が不足することを強調しすぎたためでしょう。

年金不安をあおりつつ、株式や不動産投資を勧誘することは、投資販売の常套手段です。

不動産業界におけるスルガ銀行のシェアハウス問題もまったく同じでした。

年金不安につけこまれた個人投資家の典型的な失敗例でした。

国はもうずいぶん前から「貯蓄でなく投資」と国民に向けて号令を掛けています。

高齢化が進めば、これまでのような手厚い社会保障はできないので、“自分でお金を増やして下さい“というのが本音でしょう。

ただし、注意すべきは、国も投資の失敗は「自己責任ですよ」と言っていることです。

「損が出ても国は知りません」という意味です。

最近、私は、最近投資詐欺がどんどん増えているのではと感じています。

報告書にも短期的には損するかもしれないが、長期的には成功するという記載がありましたが、果たして、どうなんでしょう?

その答えは20年後にならないと誰もわからないでしょう。

投資の世界では、情報弱者は食いものにされてしまう恐ろしい場所です。

うまい話には必ず裏があります。

私自身、この仕事を通じて多くの不動産投資の失敗例を知っています。

多くの方は、資産を増やそうとして、かえって資産を減らしているのが現実です。

投資や詐欺による失敗例もどんどん発信していく必要があるのではないでしょうか。

そうでないと、この世の中、投資に失敗した人ばかりで、たいへんなことになってしまうのではないかと思います。